English

エキシビジョン

exhibition

北館 ナレッジプラザ吹き抜け
GRAND BANNER ART
制作期間:2024年8月23日(金)~8月29日(木)
展示期間:2024年8月30日(金)〜 10月22日(火)

北館1階ナレッジプラザでアーティスト:THRREE(スリー)が7日間かけて公開制作。制作期間のうち8月25日(日)に実施したワークショップに参加した約50名の子どもたちもアーティストと共に力いっぱいペイントを施し、エネルギー溢れる作品が完成しました。 アーティストと子どもたちが共創した巨大バナーアートが吹抜空間を彩ります。展示終了後には作品をアップサイクルしたトートバッグを参加者にプレゼントします。

西條 茜
Artist
THRREE
スリー

2019年大阪芸術大学内にて結成。人物を描く中野龍治と植物・装飾を描く和田諒也によるクリエーションを発信。ライブペインティング・アートワークにファッションの空気感を織り交ぜ、チームのスタイリングや空間の演出を通して“世界観全体の表現” を武器に目下活動中。

2019年大阪芸術大学内にて結成。人物を描く中野龍治と植物・装飾を描く和田諒也によるクリエーションを発信。ライブペインティング・アートワークにファッションの空気感を織り交ぜ、チームのスタイリングや空間の演出を通して“世界観全体の表現” を武器に目下活動中。
artwork
The sunny ground

自分たちにとって絵を描くきっかけとなったのは"幼い頃の初期衝動"。芽吹くのか、花開くかも未知数だったあの衝動を肯定するような願いを込めました。陽の光が差すこの場所で、自分たちと子供たちとで共に描きあげた作品。一つの地に全員で向かい、描きあげたこと。もし子供たちにとってこの場所が"初期衝動"になったのであれば、また何かを描き、誰かと交わっていくことを祈ります。

画材協力: ターナー色彩株式会社 
https://www.turner.co.jp/

南館 せせらぎテラス MAP
2024年3月19日(火)~2025年3月初旬予定
せせらぎテラス
西條 茜
Artist
西條 茜
Akane Saijo

1989年 兵庫県⽣まれ
2014年京都市⽴芸術⼤学⼤学院 美術研究科修⼠課程 ⼯芸専攻陶磁器分野 修了。2013年ロンドン ロイヤルカレッジオブアートへ交換留学。陶磁器素材の特徴ともいえる内部の空洞と表⾯の艶やかな質感から「⾝体性」をキーワードに、陶彫作品及びそれらに息や声を吹き込むサウンドパフォーマンスを発表している。また⼀⽅で世界各地にある窯元などに滞在し、地元の伝説や史実に基づいた作品も制作している。
 < 主な受賞歴 >
2023 京都市芸術新⼈賞受賞
2022 第1回 MIMOCA EYE / ミモカアイ⼤賞
2020 京都市芸術⽂化特別奨励者認定

1989年 兵庫県⽣まれ
2014年京都市⽴芸術⼤学⼤学院 美術研究科修⼠課程 ⼯芸専攻陶磁器分野 修了。2013年ロンドン ロイヤルカレッジオブアートへ交換留学。陶磁器素材の特徴ともいえる内部の空洞と表⾯の艶やかな質感から「⾝体性」をキーワードに、陶彫作品及びそれらに息や声を吹き込むサウンドパフォーマンスを発表している。また⼀⽅で世界各地にある窯元などに滞在し、地元の伝説や史実に基づいた作品も制作している。
 < 主な受賞歴 >
2023 京都市芸術新⼈賞受賞
2022 第1回 MIMOCA EYE / ミモカアイ⼤賞
2020 京都市芸術⽂化特別奨励者認定
artwork
Rebecca / レベッカ

グランフロント大阪のある大阪駅周辺は人と人、地域と地域をつなぐ関西の心臓部とも言えるエリアです。地下にも地上にも血管のように張り巡らされた道をたくさんの人が行き交い、血液のようにエネルギーが循環し増幅し続けるこの街は、まるで1つの巨大な生命体のようでもあります。 「Rebecca/レベッカ」と名付けた本作は陶磁器製の彫刻作品です。粘土を一本一本紐状にして積み上げて作ったこの有機的な造形の内部には水が循環しています。そしてその姿は今この瞬間も動き続けている「都市としての生命体」を体現しているかのようです。しかし一日のうち数回、この水の循環は止まり、レベッカはありのままの姿を見せます。私たちヒトという生命体が日々の活動のために休息したり、時には立ち止まることで自分自身を省みるように、レベッカも静/動を繰り返しながら今日もせせらぎテラスに立っています。

プロジェクト・
ディレクター

project director

アートは生命体だ!! 地域や環境や携わる人々によって様々な変異を繰り返して独自の進化を遂げる。ある時はエンジェルとしてある時はエイリアンとして、私たちはその変異から生まれる見たこともない生命体をワクワクして待つのが楽しい。このアート・スクランブルは、回を重ねる毎に加速度がついて・・未知の領域の入り口にいるのかもしれない。

TSUBAKI Noboru
Project Director
椿 昇
Noboru Tsubaki

コンテンポラリー・アーティスト、京都芸術大学教授。1989年全米を巡回したアゲインスト・ネーチャー展、1993年のベネチア・ビエンナーレに出品。2001年の横浜トリエンナーレでは、巨大なバッタのバルーン「インセクト・ワールド-飛蝗(バッタ)」を発表。2003年水戸芸術館。2009年京都国立近代美術館。2012年霧島アートの森(鹿児島)で個展。 2019年「パレルゴン」1980年代、90年代の日本の美術・Blum&Poe、LA・USA。2013年瀬戸内芸術祭「醤+坂手プロジェクト」、2016年小豆島未来プロジェクト、青森トリエンナーレ2017、ARTISTS’ FAIR KYOTOなどでディレクターを務める。芸術経営に関する講演や対談多数。
https://www.metapolice.net/

コンテンポラリー・アーティスト、京都芸術大学教授。1989年全米を巡回したアゲインスト・ネーチャー展、1993年のベネチア・ビエンナーレに出品。2001年の横浜トリエンナーレでは、巨大なバッタのバルーン「インセクト・ワールド-飛蝗(バッタ)」を発表。2003年水戸芸術館。2009年京都国立近代美術館。2012年霧島アートの森(鹿児島)で個展。 2019年「パレルゴン」1980年代、90年代の日本の美術・Blum&Poe、LA・USA。2013年瀬戸内芸術祭「醤+坂手プロジェクト」、2016年小豆島未来プロジェクト、青森トリエンナーレ2017、ARTISTS’ FAIR KYOTOなどでディレクターを務める。芸術経営に関する講演や対談多数。
https://www.metapolice.net/

キュレーター

curator

西條茜は現在、国内外での展覧会に引く手あまたの最も存在感を放つ若手作家である。今回、自身最大のスケールへの挑戦とする本作は間違いなく多くの鑑賞者の記憶に永く刻まれる彼女の代表作となるだろう。その小さな体躯からは想像出来ない熱量でひねり生み出された彫刻は、無機質な都市の中心地に聳え立つ。あたかも未知の生命体が宇宙から降臨し、その脈動するエネルギーが道ゆく人々を圧倒し続けているようだ。怪物的傑作である。

Kenji Yanobe
Curator
ヤノベ ケンジ
Kenji Yanobe

1990年初頭より、「現代社会におけるサヴァイヴァル」をテーマに実機能のある機械彫刻を制作。ユーモラスな形態に社会的メッセージを込めた作品群は国内外から評価が高い。2005年、全長7.2mの《ジャイアント・トらやん》を制作。2008年以降、京都芸術大学ウルトラファクトリーで巨大彫刻の集団制作体制を確立。2011年、東日本大震災後、希望のモニュメント《サン・チャイルド》を制作し、国内外で巡回。3体のうち1体が茨木市(大阪)で恒久設置される。2017年、旅をして福を運ぶ、旅の守り神《SHIP’S CAT》シリーズを制作開始。2021年、最新作《SHIP’S CAT(Muse)》が2022年に開館した大阪中之島美術館に恒久設置され、注目を浴びている。
https://www.yanobe.com/

1990年初頭より、「現代社会におけるサヴァイヴァル」をテーマに実機能のある機械彫刻を制作。ユーモラスな形態に社会的メッセージを込めた作品群は国内外から評価が高い。2005年、全長7.2mの《ジャイアント・トらやん》を制作。2008年以降、京都芸術大学ウルトラファクトリーで巨大彫刻の集団制作体制を確立。2011年、東日本大震災後、希望のモニュメント《サン・チャイルド》を制作し、国内外で巡回。3体のうち1体が茨木市(大阪)で恒久設置される。2017年、旅をして福を運ぶ、旅の守り神《SHIP’S CAT》シリーズを制作開始。2021年、最新作 《SHIP’S CAT(Muse)》が2022年に開館した大阪中之島美術館に恒久設置され、注目を浴びている。
https://www.yanobe.com/

二人組の若手アーティストTHRREEの絵画と子供たちの自由なドローイングとのセッションが巨大タペストリーになって展示中。グランフロント北館、お日様の光差すナレッジプラザの吹き抜けにドーンと!見上げるアートを体感しに行ってみよ!

OHYAMA Koutaro
Curator
Mon Koutaro Ooyama
モン コウタロウ オオヤマ

モン コウタロウ オオヤマ(本名:大山康太郎/1979年生)は、日本のストリートアーティスト。京都市立芸術大学美術学部卒。2001年、ライブペイントデュオ「DOPPEL」を結成し、ライブペイントシーンの黎明期からそのスタイルを確立してきた。2014年、取り壊し予定のビルを利用した アートプロジェクト「#BCTION」を企画・監修する。壁画・ライブペイント・ インスタレーション・キャンバス制作や、アートプロジェクトの企画・監修・演出などで活動している。
https://www.instagram.com/mondotooo/

モン コウタロウ オオヤマ(本名:大山康太郎/1979年生)は、日本のストリートアーティスト。京都市立芸術大学美術学部卒。2001年、ライブペイントデュオ「DOPPEL」を結成し、ライブペイントシーンの黎明期からそのスタイルを確立してきた。2014年、取り壊し予定のビルを利用した アートプロジェクト「#BCTION」を企画・監修する。壁画・ライブペイント・ インスタレーション・キャンバス制作や、アートプロジェクトの企画・監修・演出などで活動している。
https://www.instagram.com/mondotooo/

インタビュー

interview

THRREE
THRREE Interview

──アート作品の制作を始めたきっかけ

和田: 幼稚園の頃にクレヨンで絵を描くのにハマって、それが周りに褒められて、成功体験になったのがきっかけです。

中野: 今回のワークショップに参加した子どもの中にも、恐竜を描く子がいましたが、幼稚園のときにティラノサウルスを描くのがめっちゃ上手い子がいて、僕も横でそれを真似て描いたのが、絵を描き始めたきっかけ。それを褒めてもらったのが、初期衝動に繋がりました。

──ユニット結成のきっかけ

和田: 大学に入学して、漠然と絵を将来の仕事にしたいと思っている中で、大学の授業の一環で商業施設とのコラボイベントがあり、企画の1つとして2人でライブペイントをやりました。それが思いのほか評判が良くて、2回目も実施でき、それが自信になったし、ユニット結成に拍車をかけたと思います。

中野: チームとそれぞれ個人の活動の3本の活動軸があるのと、2人で描く3回目のライブペイントが結成のタイミングだったので、ユニット名を「THRREE(スリー)」に。綴りは2人ともイニシャルにRが入るので、真ん中のRを2つにしました。

──グランフロント大阪や展示場所のイメージは

和田: 梅田はよくショッピングに来る街で、グランフロントは開放的で、買い物をしなくても充実する場所。リラックスできて、気軽にベンチにも座れて、緑もあって、吹き抜けもあって…写真を撮るだけでも楽しい。他の梅田エリアとは違う余裕感が好きで、今回の制作場所も開放感があって、のびのび描くことが出来ました。

中野: 学生の頃にグランフロント大阪開業のニュースを見たのを覚えていて、そこで描けるのが嬉しかったです。駅が近いので、今までは足を運べなかった人もたくさん見に来てくれて、作品を見たよという報告も過去一多いと思います。制作中も、吹抜の上から皆が立ち止まって見てくれて、注目度が高くて嬉しかったです。

──今回の作品について

和田: 僕らの作品は、RYOJIが描く人物と、僕が描く植物・装飾のコラージュで、それぞれの美意識を合体させるのがチームのテーマです。今回はそこに子どもたちも加わるということで、僕たちも子どもの頃のピュアなパッションを思い出しながら、それを肯定するような前向きな絵を描きたいと思いました。今回のワークショップが、子どもたちにとってアートに興味を持つきっかけになることも嬉しいですけど、とにかくその場を楽しむという子がいてもいいと思っていて、そういう純粋な気持ちをもう一度自分たちも追体験したいと思いました。作品は明るく、植物のボタニカルな感じも意識しました。

中野: 吹き抜けに描くのがわかっていたので、陽ざしを感じられる作品にしたいと思い、人物のポージングも陽を避ける感じにしました。子どもたちに陽の当たる未来が待っているといいなという想いも込め、吹き抜けならではの「陽当たり」を、僕らの中でキーワードにしました。

artwork1

中野: 南館から連絡通路を通って歩いてくると、少しずつ女性の顔が見えてきて、吹き抜けまで行くと全体像が見えるような構図にしました。

和田: 今回の作品は過去最大のサイズでしたが、完成して吊り上げる時は感動しました。あの瞬間が一番テンションがあがりましたね。

──作品中の人物について

中野: ポージングはモデルを参考にすることもありますが、顔は自分が描きたいものを描いています。かわいい・プリティな感じよりも、かっこいい・クールな、無表情で、見る人に余白を与えるような感じの女性像を常に目指して描いています。僕らが共通点として持っているファッション性というテーマは女性の方が表現しやすく、wadaの描く植物にフィットするのも女性かなと。照

和田: ありがとうございます。笑

──子どもたちと作品を制作して

和田: 子どもたちと一緒に描くことは、僕たちにとっても新鮮で、相互作用があったと思います。真っ白のキャンパスに好きに描いていいよと言われたら、僕らでも躊躇するんですが、子どもたちはここに描く、これを描くっていう意思決定が早くて、羨ましかったです。一見、寡黙そうな子がめちゃめちゃ大胆に描いて、全身の絵の具をお母さんに拭いてもらうような場面もあり、子どもたちの新しい一面が見れたのなら良かったなと思います。

中野: 子ども向けのワークショップは初めてなので、最初は「教える」という感覚だったんですが、いざ始まってみると、僕ら自身も一緒に楽しみながら、描くことが出来ました。

artwork1

──今後の活動について

中野: アートワークも残しつつ、今回のようなパブリックな作品や、ミューラルのような残る作品を描いていって、チームをより大きくしていきたいです。

和田: 展示場所とリンクする作品づくりは、これまでトライする機会がなかったので、今回すごく勉強になりました。意図した部分と偶発的な部分があり、良い着地になったなと思います。その場所とリンクさせる作品づくりは今後も強く意識していきたいと思います。

西條 茜
西條 茜 Interview

──アート作品の制作を始めたきっかけ

小さい時から、勉強やスポーツがあまり得意ではなく、唯一褒められるのが絵や工作でした。今の実家がある場所には、元々祖母の家があったんですが、地震で全壊してしまって、そこに今の家を建てたのですが、幼いころによく庭遊びをしていました。地面を掘ると祖母が使っていたお茶碗の欠片やメガネの破片が出てきて、考古学者ごっこみたいなことをしていて、思えばその頃から⼟を触ったりするのは好きでした。

──陶磁器の分野を専攻されたのは

1回⽣で⼯芸科に⼊り、漆・染織・陶磁器を体験したのですが、道具を使わず⼿のひらで作る陶磁器はどこか安⼼感があり、原初的なものを感じました。
幼い頃は⼟に触れて遊ぶこともありましたが、⼤きくなるにつれて、ゲームやパソコン、プリクラやカラオケなど既に在るもので遊ぶことが増え、⼟とは疎遠になったように思います。それを経て、大学に入って土を触った時に安心したんです。⼟に触れると⾃分の⼿の跡が付く。重い⼟を運ぶときは体の使い⽅を考える。いわゆるデジタル世代として育ったからかもしれませんが、そうやって⾝体に負荷をかけることが新鮮に思えました。
大学院でロンドンに留学した時には、陶芸を離れてデザイン科を選択しましたが、美術館に行くなど、現代美術にたくさん触れることができました。デザイン科では、社会の問題点を考え、答えを⾒出して作品にするという授業が多かったのですが、⼼のどこかでそんな簡単には解決しないよなとも考えていました。そんな時にギャラリーや美術館に⾏くと、はっきりとした答えではないものの、問いを投げかけは⾒ているものにも考えを促す、そういう視野の広さ、懐の深さを持った現代美術があることに救われました。
また⼀度離れたことで、改めて焼き物という素材や作り⽅は⾃分に合っているなと再認識し、陶芸と現代美術と両⽅やりたいと思い、今の⽅向性になりました。

artwork1

──今回の作品について

梅⽥に限らずかもしれませんが、多くの都市では地上と地下に多くの道が張り巡らされています。私はそこを常にたくさんの⼈が⾏き来している様⼦がまるで巨⼤な⽣命体の⾎管の中を⾎液が循環しているみたいだなと感じていて、今回はそんなエネルギー循環を繰り返す「都市という⽣命体」を作品として形にできないかと考えました。設置場所が⽔景であったこともあり、⾎液のイメージで⽔を循環させています。⾃⾝が近年発表してきた作品には、声や息を焼き物の中に循環させるパフォーマンスを⾏うものがあるので、そこにも通底しています。

──作品タイトルについて

アメリカではハリケーンに⼥性の名前を付けますよね。あれって⾯⽩いなと思っていて、調べてみると、気象衛星⼠が⾃分の恋⼈や⼤切な⼈の名前をハリケーンにつけていたようでした。でも、もしかするとハリケーンという得体のしれない、⾃分達を脅かすかもしれないものに名前を付けることで、⾃分事にするみたいなこともあったのかなと思いました。今回の作品は野外ということもあり美術に興味がある⼈に限らずさまざまな⼈が⾒る中で、おそらく「なんだこれは。」と感じる⼈もいるはずですが、こんな得体のしれないモノでも名前を付けたら、興味を持ってもらえたり、⾒る⼈との距離を縮めることができるかも︖と思い、名前を付けました。ちなみに「レベッカ」は、私が幼い頃に⼤切にしていた⼈形に初めて名づけた名前です。隣のイベールの作品タイトルも⼈名なので、良いなと思ったり。笑

──自身最大の作品ということで、作品づくりにおいて苦労したことは

「重さ」ですかね。作品の重量は事前に計算していますが、土をどんどん積んで足しているうちに、本当にこの重さなのか?と感じて、人を潰してしまうんじゃないか、倒れてきたら自分は完全に潰されてしまうとか、そういう「怖さ」がありました。⾃分の⾝体サイズを超えていくことにワクワクしながらも、だんだん怖くなってくる、そういった両極端の感情を持ちながら制作していました。最終的には、この⼤きさや重さを⾃分が受け⼊れられたということが⾃信になりました。

rema artwork3

──グランフロント大阪や展示場所のイメージは

今回の展示場所は、鑑賞者との距離があり、美術館やギャラリーのように作品にグッと近づいて見られない。私の作品は、釉薬の流れとか、手で持って見るような、それくらいの距離間で見て伝わることが結構多いのですが、それが出来ないんだなと、まず思いました。鑑賞者は、遠くからのざっくりした印象(形や⾊)で⾒るんだろうなと思い、今までの作品に⽐べるとかなり明度・彩度が⾼い⾊を選んでいて、⽔が出たり⽌まったりという動きも取り⼊れているので、パッと気付いてもらえる、アイコン的なものを意識しました。隣のイベールの色も、きっと遠くから見てもらうことを意識して作ったんだなと思い、すごく勉強になりました。

──今後の活動について

重いものを運ぶことは、自分の作品づくりにおけるタスクでしたが、今はその「運搬」にフォーカスしようとしています。今回の作品においても、⼤⼈8 ⼈くらいで持ち上げて運んで、本当に⼤変だったのですが、⼤⼈がぎゅうぎゅうになって作品を⼀緒に持ち上げている様⼦って結構⾯⽩いんです。「運搬」をテーマに作品をつくったり、みんなで重いものを持ってパフォーマンスするようなことを考えています。